平安時代の雅楽を再現した動画 今の雅楽は江戸時代初期辺りから
雅楽と聞くと越天楽を思い浮かべる人もいらっしゃるでしょう
このゆったりした不協和音の音楽性に魅了される方も多いと存じます
しかしこの遅い演奏は平安時代の雅楽とは違う演奏で、もはや「別の曲」と言っても差し支えない程違います
実は武士が支配層になった鎌倉時代頃から雅楽はほぼ伝承されず、嗜む人もメッキリ減った為に正しく伝統されなかったと言う経緯があるのです
千年前の平安時代に於ける雅楽を再現する団体が存在しており、四苦八苦しているのが現状の様です
なんでも「演奏が拙い」との事ですが、割と聴き取りやすいのでどうぞ
「石上流泉」
こちらの動画の演奏が当時の速さだそうです
ですが私は他の動画を探している折、もっと解り易い物を見つけまして、紹介したいと存じます
こちらの動画と前述の動画で旋律が一致します
しかも速度が速い事もあり、大変解り易い
こちらの方はなんでも平安時代の頃の雅楽を再現なさっているそうで、非常に多くの曲を投稿してらっしゃいます
最初はニコニコ動画で「篳篥」で検索した時に出てきたのが切っ掛けでした
ニコニコ動画の方のキャプションには歌詞の現代訳等もあって、当時の歌詞や楽曲テーマ等が伺えます
こちらは「挿櫛」という催馬楽の歌です
歌詞なんですが「平安時代の貴人が紡ぎ出す雅な歌詞」といった感じのものではなかった様です
すごく俗っぽい歌詞が多く、果ては愚痴の様な物まで見られる始末
正に「昔の時代に夢を見るな」と言った感じでした
若干酔っ払いが千鳥足で口遊む歌っぽいのもあります
雅っぽい歌詞は一部に限られる様です
そしてこれらの曲を聴いてて気付くのは「歌詞が短い」という点です
当時の速度で演奏するとすごく短い曲になります
長い曲は歌詞がない器楽曲ばかりの御様子
最初に出した越天楽ですが、こちらの動画が平安時代の越天楽になるそうです
それでもあまり長い訳ではないですが、実に「雅」感があります
さらに長い曲ですと「夜半楽」という曲があります
なんでもこの曲は帝が開いた宴会で退室する際に流す曲として使われたそうです
そう言われるとエンディングテーマみたいな感じがしなくもない
この様に現代に於いて「千年以上前からある伝統されし由緒正しき平安時代の雅楽」等と言われるのは実は間違いです
厳密には皆さんが聴いている雅楽は「江戸時代初期に復興目的で編集された南蛮音楽の影響を受けたアレンジ雅楽」という事になります
なんなら明治時代に更に遅く演奏する様な改変も行われたとか・・・
要は皆さんが思っている様な、千年の歴史はありません
最期に私の気に入った唄を
「鉾」
断絶した唄だった様です