2022-01-01から1年間の記事一覧

籠手という着物 和服に於ける「船頭籠手」・「弓籠手」などの衣服

平安時代の雅楽を再現した動画 今の雅楽は江戸時代初期辺りから

雅楽と聞くと越天楽を思い浮かべる人もいらっしゃるでしょう www.youtube.com このゆったりした不協和音の音楽性に魅了される方も多いと存じます しかしこの遅い演奏は平安時代の雅楽とは違う演奏で、もはや「別の曲」と言っても差し支えない程違います 実は…

江戸時代の雨の着物 合羽と「正体不明」の着物 万月堂と石川豊信

ちょっと江戸時代の絵を探っていると、こんな絵に出くわしたんです 作は万月堂という絵師だそうですが、右と真ん中奥の人の着物を見て下さい 明らかに帯のない留め具に因る着物です この形式の着物は珍しいです なにせ日本の服飾文化は頑なにベルトに依る固…

江戸時代の楽器「胡弓」で演奏した曲 6曲まとめ 二胡弓とは違う楽器

胡弓という楽器があります 江戸初期にはあったようですが起源は定かでなく、東アジアの楽器が由来と考えられています www.youtube.com よく中国の楽器「二胡弓」と混同されますが、これは「胡弓」という言葉が「似た形式の擦弦楽器の総称」として使われた言…

江戸時代、夫婦・親子の愛情を表現した2曲「鶴の巣籠」「鹿の遠音」

音楽にはテーマに合う「感じ」で作曲する と言った手法がよく取られます 例えば夏なら「夏の感じがする」って曲とか、ラブソングなら「ラブソング感がある」とか でもこういった感性はその時代に話題になったり、流行したりした音楽の影響で「そんな感じがす…

蔵の窓

江戸時代の服にはポケットがないと言われるが「どんぶり」というのがあった

ハイこれ結論からドーン! kotobank.jp 江戸腹掛と呼ばれる服です 時代劇で大工が着てるエプロンみたいなタンクトップみたいな服と言えば解りやすいでしょうか エプロンのポケットと同じ様な位置に「どんぶり」というポケットがあるんです ここから大雑把に…

江戸時代はボタンが付いた服がないと言われますが、実は割とあります

着物にボタンが無いのは何故? という話がありますが、厳密には「日本伝統服飾」の「着物・和服」に当てはまる服には付いてます 時期としては戦国時代末期から江戸時代初期 南蛮伝来でボタンが来てからは「南蛮服を模した和服」に使われる様になりました で…

蔵の窓は軽量化すれば、一般にも普及させられるのでは? と思い空洞化してみようと思った

江戸時代から続いて蔵の窓に使われる「蓋」なんですが、防火壁でもある為に大変分厚く、土と漆喰で重い物になっています 具体的に言うと、一人で開けるのも困難なレベルの重さらしいです その為、耐震性の問題等がある事も相まって外す蔵も多い様です 貴重な…

蔵の扉の正式名称なんですけど、これは厳密には「蓋」です

蔵の窓や扉の正式名称ってサジェストに出るんですよ そんな蔵の窓・扉なんですが、これは厳密には「戸」ではなく「蓋」と言われていましたし、役割も「蓋」なんです 簡単に言いますと、この「蓋」とは別に「窓の戸」が内側にあるんです 玄関の扉もそうなんで…

江戸時代の庶民の豪邸「蔵造り」とは? 見栄え重視の建築様式「蔵造り」の話

よく「江戸時代 庶民 家」とか検索されてますよね そんな画像検索で出てくる画像は、臆面も排して言うと「みすぼらしい」と言った物が散見されます 剥き出しの木材で作った家に、扉には紙と木で作った障子を使う等、大変貧しい物がイデア化されています 実は…

愛の象徴としての「ハマグリ」「タマムシ」 日本古来の愛の形と色

世界各国、特有の文化があり、人の愛を示す模様やマーク等も多岐にわたるものです さて今回は日本文化に於いて、そんな人の愛を示す「象徴」のお話 現代に於いてハートマークは西洋由来であるにも関わらず、アジア・アフリカ等の地域を問わずに用いられる「…

蔵造りと兜造り

何分忙しいものでして、ろくにタイピングできずにおります 最近は日本の建築文化等にも興味が釣られる次第でして、民家建築や漆喰の建築等に心惹かれています 拙いながらも作ってみました兜造りの蔵造り 日本の建築というと「城」「仏塔」等が盛んに挙げられ…

昔の日本の椅子・腰掛文化 座敷伝統による問題

日本は座敷文化で、椅子がない よく言われますが、不自然な話です 時代劇の描写ですら「茶屋の縁台」と言う赤い椅子が出ます 戦国時代の武将も折りたたみの椅子なんて使っている始末 日本の風俗にも「何かに座る」という発想や感覚は間違い無く有るんですよ …

江戸時代、冬に着ていた着物「合羽」 コートと違って室内で着る事もある

昔の人がどんな生活をしていたかという話で「服装の話」はよく挙げられます その中でも冬季の寒い中で、どんな格好をしていたかという事を記します まぁ習慣としては至極当然な話で「重ね着」が一般的でした 稀に「えっ!?お着物はもっと厳かに着る物なんじ…

江戸時代、「足袋沓」という靴がなぜ普及しなかったのか 

日本は靴が無い事がよく論われます 外国人からは「侍ってあんなに立派な格好なのに、履いてるのはサンダルってのがショック受ける」という人も居る程 成程確かに サンダルに分類される草履や草鞋等の未発達な履物は、あまり実用性が高いとは言い難い要素が多…

襦袢の歴史や発展から実用性について 江戸初期の人が着ていた襦袢を作って着てみる

襦袢については今まで書いたりもしてきましたが、潜在する優れた実用性のある「和服」として記していませんでした ここではその「実用性が高い和服」としての襦袢に論います 上記の「gibãoから襦袢への発展」の図説画像は個人・商用問わず利用を推奨します …

蔵という日本建築と、和風じゃない「和」

日本建築のビルは存在しないのか?って話ありますよね。 togetter.com ビルディングと言えば元が西洋建築文化なので、日本建築文化に効率的な空間を設けた高層建築はないのかって言う話です。 それを考える時って城とか五重塔ですよね。 しかしピラミッド状…

猪目の由来を調べてふと「鼻」の可能性に至って「猪睨み」なのではないかと考えた

猪目と言う模様が日本では昔から存在します。 SNSで話題になったように馴染みのあるハートを連想し、人気のある模様へ認知されてきましたね。 しかし神社等の古い慣習を残す場においては「魔除け」「火伏せ」といった意味合いで使われているそうです。 なん…

着物としての襦袢・具足下・鎧下着・鎖帷子・合羽・陣羽織

タイトルにある通り戦国時代に南蛮から伝来した品に影響を受けた当時の日本人が作り出した新しい和服についての話。 戦国時代と言うのは特に合理性が求められる時代だ。 何故なら理不尽な生殺与奪が蔓延るため、文字通りの生存競争に負けない工夫や思想が発…

足袋沓や跣足袋と言って足袋が靴として使われる事もあります

足袋って言うと日本の靴下ってイデアあるじゃないですか? 「襪」から発展した草履用の襪 と言われていますが、これは違う。 本来は靴下の様な役割ではなく、草鞋と足の間に挟む「足カバー」だったんですよ。 草鞋掛け・打ち掛け・甲掛けと呼ばれるカバー的…

鞐(こはぜ)という和装の留め具

和服の留め具である鞐の歴史・素材・形式・用途をまとめた内容です 参考程度にどうぞ