明治時代の「大久保利通の葬儀」と「日本が喪服を黒に変えたきっかけ」 最悪なマナー違反と何でもアリな現代喪服の実情

crd.ndl.go.jp

 

喪服というのは礼装に於いて最も重要視される衣装とされます。

使者に対する冒涜を許さない事が目的なのでしょうか、現行法では墓に乗る事が違法とされていたり、葬儀の進行を妨害する事が違法とされています。

それほど死者に対しては礼節が求められます。

 

ではそんな礼服についてはどうでしょうか?

現代では葬儀会社等が葬送の礼節を自社サイトにて語っていますが、喪服の色に対し「黒でなければならない」と「黒じゃなくてもいい」と言っていたりして、言論が違う事も見られます。

 

なぜ意見が分かれるのか?それは「西洋化以前の日本では喪服が白かった」という問題があるからです。

 

 

 

 

日本の伝統文化を捨てて西洋文化を選んだ

 

一番上に記載したレファレンス協同データベースにて答えが書いてありますが、要点だけかいつまむと

         「日本の伝統文化を辞めて西洋化する為」

という答えになります。

 

江戸時代までの日本では白い喪服でしたが、次の明治時代では日本文化を廃する動きが活発化して西洋文化に変えようと言う思想が強まっていたのです。

その一環として白い喪服をやめる事になったのです。

こういった伝統文化の排斥は有害な伝統文化(生贄など)を消したりいい影響もありました。

しかし喪服の色は無害な伝統文化ですからやめる必要はありません。

こういった戦時ヒステリーに似た排斥運動の影響で、文化的自殺行為をする国は数多くあります。

ja.wikipedia.org

 

 

しかし考えて頂きたいのですが、前記の通り「法律で決められている礼節」なら「法的拘束力」で守らなければならない「法律」です。

ではその法律で決められていない礼節は守る理由がどれほどあるでしょうか。

 

マナーの四つの基準と最悪なマナー違反

 

マナーという物は形式がある物ではなく、その場にて誠意と最善を尽くす礼節を指す言葉です。

その基準は四つ。

「衛生観念」

「法律」

「宗教戒律」

「伝統文化」

上程重要な基準となります。

 

然るにこれらと関係がない喪服の色を決めつける等はただの同調圧力、即ち「強要」に他なりません。

故に「悪質」な手段と言えます。(場合によっては土下座強要の様な違法になりうる)

 

そもそもマナー違反と言うなら、他者の服装等という無害な事に文句を付ける事が一番最悪なマナー違反です。

考えても欲しいのですが

 

故人と親しくしていた外国の方が自国文化の喪服で参列しています。

しかし貴方が持つ現代日本人の価値観では、彼の喪服は派手に見える事から「喪服に相応しくないから出ていけ」と難癖を付けてしまいました。

しかし彼はこう反論します。

「これは私達の民族として礼節ある喪服だ。他国の異文化を認められないと言うなら、なぜ貴方は日本人なのにスーツと言う他国の服装をしているのか?それは貴方の心にある、我々の民族の様な「自らが知らない異文化」に対する差別意識に他ならない。」と言った論いでした。

そして彼は葬儀の妨害をしたのではなく、難癖を付けた貴方が妨害行為と判断されて葬儀の場から出される仕儀と相成りました。

 

つまり、安直に文句を付けてはいけない。という事です。

貴方が考える「そうしなければならない」という思想の正当性は証明できますか?

貴方が考える「間違っている」という論いは正当性が証明できますか?

雰囲気や空気、同調圧力や素人の多数決による強要の正当性は証明できますか?

 

礼節の基準として上記の四つが参考になればこれ幸い。

clothroad.hatenablog.jp

 

個人の自由である「信仰の自由」や「思想の自由」を忘れずに

 

我々日本人は今、伝統文化でもなければ由緒が正しい訳でも無い礼節を正しいと思い込んでいます。

葬式というのは厳密には「儀式という文化」でしかありません。

即ち義務では無いので、無宗教者・反伝統文化思想の人々には「信仰の自由」「思想の自由」等を尊重して、無理に従わせてはいけません。

死者の遺言なら叶える理由にもなりますが、違うなら喪服の色程度は問うべきではない。

 

現行の社会通念上の葬式を伝統文化と扱うには、成立背景である「文化的コンテクスト」を無視した「間違った無礼な振る舞い」である点が多すぎます。

 

くれぐれも「伝統文化だから」と言う理由で他者を従わせるなら

「対象者の思想の自由を侵害していないか」

「伝統文化である証明は可能か」

上記の2つに気を付けましょう。

 

葬儀の妨害は違法ですが、参列者の白い喪服に間違った言説で難癖を付けたら「葬儀を妨害したのは貴方」という事にもなりかねないでしょう。

 

因みに昔は法律で礼節が決まってました。

下記の葬儀会社サイトでは「法規制された作法をやめなかった」という話を記載されています。

www.miyabi-sougi.com

 

こちらでは派手な振り袖を喪服としていた葬儀の話など記載されています。

www.koekisha.co.jp

 

 

余談

 

さてここからは個人的な思想です。

私個人の考えでは「喪服という服でなくても参列していただけるだけありがたいので、失礼と扱うべきではない」と考えております。(多数派の拒絶と強要NGを踏まえて)

現代の喪服が黒くなった理由が、如何に間違ったルーツであるかは上記の通りです。

そして日本の伝統の宗教や伝統文化としての葬儀に、洋装で参列する事が無礼に当たるのは伝統の戒律や伝統文化が基準になる為です。

 

しかし現代では

伝統文化も宗教戒律も無視した服装が喪服扱いされ、

雰囲気や空気と言った物で礼儀が決められ、

専門家でもない素人のデカい声の強要で礼節を決められ、

伝統文化と詐称して自作の捏造マナーを売りつけるマナー講師が氾濫し、

礼儀作法もマナーも適当に決められているのが実態です。

 

ならもうなんでもアリじゃん。

そう思うのは教養があればこそでしょう。

衛生観念と法律に問題が無く、宗教戒律と言った規則や伝統文化としての文化性も捨てた現代の喪服と、フランクなTシャツGパンに何の違いもありません。

 

服装如きは好きに決めれば良いと考えています。

 

なので黒い喪服が着たい方も、白い喪服が着たい方も、タンクトップと短パンが着たい方も、立襟の襦袢と袖合羽が着たい私も、各々勝手に決めれば良いと思います。

そんなの間違っている!なんて今更何を仰る兎さん。

現代の喪服なんてほぼ全部間違いですよ。

そしてその間違いを受け入れているのも貴方ですよ兎さん。