蔵の扉の正式名称なんですけど、これは厳密には「蓋」です
蔵の窓や扉の正式名称ってサジェストに出るんですよ
そんな蔵の窓・扉なんですが、これは厳密には「戸」ではなく「蓋」と言われていましたし、役割も「蓋」なんです
簡単に言いますと、この「蓋」とは別に「窓の戸」が内側にあるんです
玄関の扉もそうなんですが、蔵に於ける「玄関の扉」は漆喰で出来た防火性能の重い「蓋」を開けたら見える「木戸」が玄関の「戸」なのです
これは明治時代の古書に記載されていた情報で、左官の教本に「蓋」と書かれていました
正直な所、読む前から「厳密には扉ではなく蓋なのでは?」と考えていましたが、見事私の読みが当たりました(自慢)
で、正式名称なんですが無いみたいです
というのも現代の左官さんのHP見ても「扉」と書いていらっしゃるので、当時の資料を知らないまま「扉」と呼んでいる節があります
実際構造上「扉」とも言えなく無いので「扉」も正しい呼称として扱って良いんじゃないでしょうか?
因みに私が調べた範囲だと
「塗戸」ヌリド・・・:漆喰を塗る事から
「土扉」ツチド・・・:土を原料としている事から
「掛子の扉」カケゴノトビラ・・・:段々の構造を掛子と呼ぶ事から
とまぁ色々出てきますが、正式名称として扱うには不備があります
なぜなら
「大谷石という石材・銅等の金属で作った場合は漆喰も土も使わないので土でも塗でもない」
「掛子構造が無い分厚いだけの扉がある」
という点が指摘されるので、正式名称としては不備なんじゃないかと
私は「蔵の蓋」とか呼んでます
蔵造りに使用される訳ですし、単純かな、と
因みに
この掛子構造は金庫の扉にも見られます